赤嶺通信20060328

  


2006年3月28日

米軍再編のねらいは、日本を戦争する国として強化すること

赤嶺政賢


米軍再編をめぐって、日米両政府の交渉が大詰めをむかえている。3月中には実施計画を作成することになっているが、それが可能かどうかは予断をゆるさない。交渉の内容があきらかになるにつれ、国民との矛盾はますます深まるばかりだからだ。

 海兵隊の新たな拠点基地をグアムにつくるため、米側は総額100億ドル(約1兆1700億円)のうち75億ドル(約8800億円)を日本が負担するようもとめ、日本政府は25億ドル(約3000億円)の負担ならうけいれると自ら提案した。「グアムに海兵隊の拠点基地を建設すれば、沖縄から7000人の海兵隊がグアムに移転でき、県民の負担の軽減につながる。」ということを首相や閣僚がぬけぬけとくりかえしているがそんなことはない。訓練による流弾事故、山火事、殺人や女性への暴力、放火、ひき逃げ、タクシー強盗などをくりかえしてきた海兵隊の「実戦部隊」は、今回のグアム移転の対象ではない。旅団の再編成、強化されてそのまま沖縄に残るのだ。そのために必要なのが名護市辺野古のキャンプ・シュワーブ沿岸地区に建設される飛行場だ。

 北谷の辺土名朝一前町長は「将校がいなくなり前線兵士だけが残れば、沖縄はサファリパーク状 態だ」と発言している。たとえ、7000人の海兵隊移転があったとしても、基地の苦悩の本質的な原因は解決されない。グアムには、米海軍、陸軍の施設は整備されているが、海兵隊の基地はない。これを日本国民の税金で実現しようというのが、日米両政府の本音なのだ。

 鹿児島県鹿屋市には、普天間飛行場の空中給油機が移転するが、その要員として海兵隊員1000人が移動する。鹿屋基地には新たな兵舎や食堂や厚生施設、駐機場と関連施設が必要となり、グアムの負担とは別に日本政府が負担する。福岡県築城基地、宮崎県新田原基地なども同様だ。 日本政府の負担は、総計3兆円にものぼるという。定率減税の廃止、医療制度の改悪による国民負担増は、そのまま在日米軍の駐留経費となって消えていく。

 今回の米軍再編は、地球規模の米軍再編の一環であり、なにも沖縄の負担の軽減や、日本の「防衛」強化のためにはじまったものではない。日米両政府が共通の目標にしているのは、「日米同盟の能力の向上」だ。

 米軍と自衛隊の能力の違いは戦闘経験の有無にある。海外で戦争し、戦闘参加者や戦闘員とは無関係なお年寄りや女性、子どもをもみなごろしにしてきたそういう米軍の能力を自衛隊にもつけさせたい、自衛隊も米軍の能力にあこがれ、共同訓練を強化する。これが「同盟の能力の向上」といわれるものだ。米軍再編によってめざしているのは、日本をアメリカといっしょに戦争できる国にすることにほかならない。こんなこと絶対にうけいれられない。

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