2006年5月24日
言い得て妙「座論梅」
赤嶺政賢
宮崎県新富町の自衛隊新田原基地を調査したときのことである。米軍機の訓練移転に反対して頑張っておられる住民代表の自宅のすぐ近くに「湯の宮座論梅」という梅園があった。この梅園には、「神武天皇がつきたてた梅の枝が芽をふき成長して今日に至った」という由来があるとして、昭和十年に国の天然記念物に指定されたとの碑文が目についた。
神武天皇といえば金鵄(きんし)勲章を連想させる。昭和十年という時代が、この梅園を国指定天然記念物にさせたのだろう。私は、当然のことだが軍国主義の雰囲気は大嫌いだ。
ところが、樹齢六百年のこの梅園には、もうひとつの由来があった。碑文の最後に「徳川時代に佐土原、高鍋両藩の間に梅林の所有争いが起こり、両藩士がこの地で出会い座して論議したので座論梅となったものと伝えられる」とあるではないか。新富町教育委員会の解説だ。これは、話し合いによる紛争解決につながるという貴重なエピソードにもなる。「座論梅」という命名が気にいって撮ったのが掲載の写真である。「座論梅」とはほんとうによくつけた名前だ。
沖縄とは味わいの違う自然や畑に囲まれた新富町の雰囲気に浸っていたら、突然、非人間的な爆音が襲いかかってきた。自衛隊新田原基地の戦闘機だ。ここにも「沖縄」と同じ苦しみがあった。
そういう町に、普天間飛行場と嘉手納基地の機能の一部を移転して訓練を増大させる計画がすすんでいる。これがどんな環境破壊をもたらすか、新富町の住民代表らは、嘉手納基地や普天間基地の現場調査も行い、これ以上の基地被害は絶対に許さないという構えで、町長を先頭に訓練移転反対の構えを強めていることにも感心した。
今回の米軍再編は、米軍と自衛隊の一体化が最大の特徴であり、司令部の一体化が、神奈川の座間や東京の横田ですすみ、実戦部隊の一体化は、九州宮崎の新田原、福岡県築城、鹿児島県鹿屋の各基地で急速にすすむ。
アジア近隣諸国に軍事力で威嚇するやりかたでしか望めない政府の態度は戦前と同じだ。
米国と手を結んで、覇権国家としてアジアに君臨し、九州と沖縄がその拠点基地化するのか、「座論梅」の精神を発揮して、憲法九条を持った国として、アジアからの信頼を得るために、唯一安保廃棄の旗をかかげた党として九州・沖縄でどう頑張れるのか、われわれのたたかいも歴史の分岐点にたっているのではないだろうか。 |→TOP|
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