しんぶん赤旗九州・沖縄面2006年5月31日(水曜日)
水曜随想
民主主義の根底には
参院議員 仁比聡平
国会論戦の合間をぬって、「憲法改悪を許さない演劇人のつどい」(5月28日)、「葛飾ビラ配布弾圧事件」支援のつどい(29日)で記念講演を求められ、かけつけた。
演劇人のつどいで「群読 日本国憲法」が上演された。そのなかで、教壇から召集され、上官の命令で中国入捕虜を刺殺したことを悔いて、戦後山に籠(こ)もり続けてきた元日本兵の老人が孫にこう語る。
「一人になって人間をとりもどしたかったんだよ。『悲しむ心』をとりもどしたかったんだ。だけど、ぼっと明るいところに出ていかなければ、人間として『悲しむ心』をとりもどすことはできないんだな」至言であると思う。
民主主義の根底にあるものは「人間の尊厳」であり、それは互いの尊厳を大切にし、家族や学校や地域、自治体から国、国際社会に至るまで心を開いて語り合うことによってこそ実現される。
そこには、多彩なことば、表現があり、主張がある。その要素となる事実、真実、真理や道理、そこから生まれる怒りや喜び、悲しみや笑いが入々の心を動かし、人間らしい民衆の力となって歴史を動かす。だからこそ権力者はそれを恐れるのである。
十五日、日本ペンクラブ(井上ひさし会長)は、共謀罪新設に反対するアピールのなかで「(共謀罪の導入は)民主主義社会における思想・信条・結社の自由を侵すことはもちろんのこと、人間が人間であるがゆえにめぐらす数々の心象や想念にまで介入し、また他者との関係のなかで生きる人間が、本来的に持つ共同性への意思それ自体を寸断するものとなるだろう」と警鐘を鳴らした。
共謀罪、国民投票法案、教育基本法改悪、代用監獄をはじめ、民主主義の根本が問われているからこそ、「ぼっと明るいところ」に出て、私はたたかいたい。 |→TOP|
|