しんぶん赤旗九州・沖縄面2007年9月5日(水曜日)
水曜随想
農・漁民生かす政治に
参院議員 仁比聡平
遠藤農水相が辞任した。たったの十カ月で松岡(自殺)、赤城と三人目。五重計上の玉沢元農相は自民党を離れるが議員は辞めないという。これほどぶざまな政権がこれまでにあっただろうか。
その9月3日、田村衆院比例候補と宮崎県北、北浦を訪ねた。アウトドア派にとって宮崎県北は九州でも「穴場」だ。その北浦と島浦漁協が九州で有数、宮崎県産の七割の養殖漁業を担っているということを皆さんはご存じだろうか。三年ほどの成育を経たカンパチは活魚船にのせられて、なんと東京の築地市場まで出荷される。これからおすしを食べるときは、その魚がどこで育ち取られたのか、よく考えたい。
その漁協が、いま危機的状況を訴えている。参院選の最中と直後に襲った台風4、5号が大崩山など九州山地の山腹を壊し、山の人々の努力もかなわず、荒廃してきた山林が一挙に流出、五ケ瀬川の支流各地で農地に壊滅的被害を与えた。
千六百トン(県試算とのこと)もの流木は海にそのまま流れ出し、北浦や島浦の生けすを突き破り、何百万尾の魚が死んだのだ。もちろん生けすは使いものになるはずもない。漁民やボランティア、延岡市が酷暑の中、必死で片付けた流木のごく一部見せてもらっただけで泣けてきた。「大臣を任命するのは、この流木の一本でも自分の腕で片付けてからにしてはどうか」と総理に質問してやる機会はないものか。
上流の農地被害の現場は、絵に描いたような日本のふるさとだ。清流のほとりに、何代にもわたって慈しんできた水田が、瞬時の激流でまるでさいの河原のようだ。それでもお年寄りは「あと何年かすれば息子が自衛隊を辞めて帰ってくる」と頑張っている。そんな思いを受けとめるのが仕事の政治家が、補助金の不正受給や関連企業・団体からの献金、果ては二重計上や五重計上。背信は絶対に許されない。
「構造改革」農漁政のもと、それでも「米を作ってこそ農業」「海に出てこそ漁師」と頑張ってきた生産者の力で、自然も文化もはぐくまれてきたそんな農民や漁民が参院選で下した審判を、私は必ず生かす政治家になりたい。(しんぶん赤旗九州・沖縄面)
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