しんぶん赤旗九州・沖縄面2007年9月26日(水曜日)

水曜随想

テロ特措法に思う

衆院議員 赤嶺政賢


  安倍前首相が政権を放り出さざるをえなかった直接のひきがねになったのは「テロ特措法」の延長問題だ。この法律は2001年9・11同時テロの直後、ブッシュ大統領が「米国への戦争だ」と絶叫し、小泉首相が「同盟国アメリカを支援する」と応じ、あっというまに成立した。

 法律の所管大臣は当時の福田官房長官だった。メディアはアフガニスタンへの軍事介入を当然視し、米国の「正義の戦争」の報道を興奮気味にくりかえした。6年経過して冷静になってみたら「戦争でテロをなくすることはできない」ということがはっきりしたのではないだろうか。

 私はこの6年間、アフガニスタンのカブールや隣国パキスタンで「テロとの戦争」の実態を調査し、その蓄積が国会論戦を支えている。

 特にパキスタンで通訳をしてくれた地元メディアのジャーナリストの「アメリカは一方的にイスラム諸国を見下し攻撃している。原爆を投下された日本人は、米国に苦しめられている我々の気持ちをよく理解しているはずだ。憲法9条もつ日本が米国の戦争に加わるなんて信じられない」という発言は、どんな事態を分析する場合も絶対におとしてはいけない視点だと思っている。

 外国軍隊が銃剣と装甲車で武装して待ちを制圧し、空爆や誤射、誤爆、強姦(ごうかん)は日常茶飯事である。家族が犠牲になった民衆の中から自爆テロに走る人たちは激増している。米国の報復戦争はアフガンの情勢を泥沼化させ、テロの土壌を拡大してしまった。

 アメリカは超法規的な戦争をアフガニスタンで続けており、同盟国をまきこもうと必死だ。米軍の高官は「日本が燃料補給をやめても、我々で何とか対応できる」「日本の補給活動は重要な任務だが、それよりも日本が有志連合に参加して意見形成に役立っていることの意義の方が大きい」と日本の役割を率直に語っている。米国は日本がそばにいてくれるだけでいいのだ。これがテロをなくすることにつながっているかどうか、日本政府は考えたこともない。

 日米同盟の前に思考停止状態になっているのが、日本外交の現状だ。福田内閣がスタートしたがこの枠組みはかえられそうにない。

→TOP