しんぶん赤旗九州・沖縄面2007年10月3日(水曜日)

水曜随想

島ぐるみ「11万人」の怒り

参院議員 仁比聡平


  「沖縄戦では、なぜ十数万人もの住民が殺されなければならなかったのか」自分のなかにあるこの問いに、私は、なんど沖縄をたずねてもいまだ納得のいく答えを見つけることができないでいる。思考の果てにのこるのはいつも、侵略戦争とファシズム、日本軍の異常ぶりへの言葉にならない激情と、沖縄の人々の思いへの畏敬(いけい)である。

 沖縄戦での「集団自決」は、軍による強制・強要・命令・誘導などによって引き起こされた。三月、それをわい曲する教科書検定意見を知ったとき、「戦後レジームからの脱却」を叫び、曲げてはならないものを曲げようとする安倍政権の暴走に、憤りでからだが震えた。

 国会で改憲手続き法の強行を許さないたたかいが熾烈(しれつ)を極めるころ、沖縄では検定意見の撤回を求める県民ぐるみのたたかいが燃え広がり、わずかの期間で集められた九万余の署名提出の国会集会で、私は「沖縄戦の厳然たる事実をゆがめることは許されない。事実を子どもたちに伝え、平和と憲法を守る決意が求められている」と訴えた(沖縄タイムス六月十五日付)。

 こんどの県民大会が呼びかけられたとき、本土出身の政治家として、何があっても参加しなければならないと思った。本土であまりにも知られないでいる沖縄の苦しみと怒りを正面から受けとめたいと思った。

 大会に県民の十人に一人が参加した。そのことの意味を私たちは深く知るべきである。高校生の「この記述をなくそうとしている人たちは、私たちのおじい、おばあたちがうそをついていると言いたいのでしょうか」。この訴えは、すべての政治家と歴史に突き刺さっている。

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